脂肪肝を予防する食事とは?おすすめの食品・栄養素と避けたい食べ物を解説

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「健康診断で肝機能の数値が気になる」「脂肪肝にならないために、普段の食事を見直したい」という人は少なくありません。
脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積した状態です。近年は、代謝異常に関連する脂肪肝を「MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」と呼ぶようになり、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常などとの関連が重視されています。
脂肪肝を予防するうえで大切なのは、「肝臓に良い特別な食品」を探すことではありません。
食べ過ぎを防ぎ、野菜・魚・大豆製品などを取り入れ、糖分や飽和脂肪酸の多い食品を控える。
このような食生活を継続することが基本です。
この記事では、脂肪肝を予防するために意識したい食品・栄養素と、できるだけ控えたい食べ物について解説します。
- 1. 脂肪肝の予防で最も大切なのは「食べ過ぎない」こと
- 2. 脂肪肝予防におすすめの食品
- 2.1. 1.野菜
- 2.2. 2.魚
- 2.3. 3.大豆製品
- 2.4. 4.全粒穀物・食物繊維を含む食品
- 3. 脂肪肝予防で意識したい栄養素
- 3.1. 不飽和脂肪酸
- 3.2. 食物繊維
- 4. 脂肪肝予防のために避けたい食べ物・飲み物
- 4.1. 1.砂糖の多い飲み物
- 4.2. 2.お菓子・菓子パン
- 4.3. 3.脂身の多い肉・加工肉
- 4.4. 4.揚げ物・高脂肪食品
- 4.5. 5.アルコール
- 5. 「果物は脂肪肝に悪い」は本当?
- 6. 脂肪肝を予防する1日の食事イメージ
- 6.1. 朝食
- 6.2. 昼食
- 6.3. 夕食
- 7. 食事だけでなく「体重」と「運動」も重要
- 8. まとめ:脂肪肝予防は「特別な食品」より食生活全体を見直す
- 8.1. 参考情報
脂肪肝の予防で最も大切なのは「食べ過ぎない」こと
脂肪肝というと、「何を食べるか」ばかりに注目しがちです。
しかし、すでに体重が増えている人の場合、食品の種類だけでなく総摂取カロリーを見直すことが重要です。
MASLDでは、体重を5%以上減らすことで肝臓の脂肪が改善し、より大きな減量では炎症や線維化の改善も期待できます。AASLD(米国肝臓病学会)も、食事・運動・体重管理を生活習慣改善の中心に位置づけています。
したがって、脂肪肝を予防したい人は、
- お腹いっぱいになるまで食べない
- 間食を習慣化しない
- 夜遅くに高カロリーの食事をしない
- 甘い飲み物を減らす
- 運動不足を解消する
といった基本的な習慣から始めるのがおすすめです。
脂肪肝予防におすすめの食品
1.野菜
野菜は、脂肪肝予防の食生活に取り入れたい代表的な食品です。
野菜には食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが含まれています。
特に、食事の最初に野菜や海藻、きのこ類などを食べるようにすると、食事全体のボリュームを確保しながらカロリーを抑えやすくなります。
ただし、「野菜ならいくら食べてもいい」という意味ではありません。ドレッシングやマヨネーズを大量に使えば、摂取カロリーは増えてしまいます。
2.魚
魚は、肉類に偏った食生活を見直すときに便利な食品です。
特に青魚にはEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が含まれています。
脂肪肝では肝臓だけでなく、糖尿病や脂質異常症、心血管疾患などの代謝リスクにも目を向ける必要があります。地中海食のように、魚、野菜、豆類、ナッツなどを取り入れる食事は、MASLDの食事改善として推奨されています。
3.大豆製品
豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品も取り入れやすい食品です。
植物性たんぱく質を補えるため、肉だけに頼らない食事を作ることができます。
例えば、
「肉料理を毎日たくさん食べる」→「魚・豆腐・納豆なども組み合わせる」
という変更だけでも、食生活のバランスを整えやすくなります。
4.全粒穀物・食物繊維を含む食品
白米や白パンなどの精製された炭水化物に偏らず、玄米、オートミール、全粒粉パンなどを選ぶ方法もあります。
食物繊維は野菜、海藻、きのこ、豆類などからも摂取できます。
重要なのは、「糖質を完全に抜く」ことではありません。
極端な糖質制限をするよりも、精製度の高い食品や砂糖の多い食品を減らし、食物繊維を含む食品を増やすほうが、長く続けやすいでしょう。
脂肪肝予防で意識したい栄養素
不飽和脂肪酸
脂質には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
脂肪肝を予防する食事では、バター、脂身の多い肉などに多い飽和脂肪酸を摂り過ぎないようにし、魚、ナッツ、植物油などから不飽和脂肪酸を取り入れることがポイントです。
ただし、油は1gあたり約9kcalあるため、「健康的な油なら大量に摂っても大丈夫」というわけではありません。
食物繊維
食物繊維は、野菜、豆類、きのこ、海藻、全粒穀物などから摂取できます。
「白米だけ」「パンだけ」といった食事よりも、主食・主菜・副菜を組み合わせることで、食物繊維やビタミン、ミネラルなどを補いやすくなります。
厚生労働省も、生活習慣病予防の基本としてバランスの取れた食生活を挙げています。
脂肪肝予防のために避けたい食べ物・飲み物
1.砂糖の多い飲み物
特に注意したいのが、ジュース、清涼飲料水、加糖コーヒー飲料などです。
飲み物は固形食品よりも短時間で摂取できるため、知らないうちに糖分やカロリーを多く摂ってしまうことがあります。
また、MASLDの食事改善では、商業的に製造された果糖を多く含む食品・飲料を控えることが推奨されています。
水、お茶、無糖の飲み物を基本にすると、余分な糖分を減らしやすくなります。
2.お菓子・菓子パン
ケーキ、ドーナツ、クッキー、菓子パンなどは、砂糖と脂質の両方を多く含むものがあります。
「少しだけ」のつもりでも毎日食べる習慣になると、総摂取カロリーが増える原因になります。
食べる場合は量と頻度を決め、習慣的な間食にならないよう注意しましょう。
3.脂身の多い肉・加工肉
脂身の多い肉や加工肉を頻繁に食べる食生活は、見直す余地があります。
肉を完全に避ける必要はありません。
赤身肉や鶏肉、魚、大豆製品などを組み合わせ、特定の食品に偏らないようにすることがポイントです。
4.揚げ物・高脂肪食品
揚げ物はおいしく、食事の満足感も高い一方で、調理方法によってはカロリーが高くなります。
毎日のように揚げ物を食べるのであれば、
揚げる → 焼く・蒸す・煮る
という変更をするだけでも、摂取カロリーを抑えやすくなります。
5.アルコール
アルコールも肝臓の健康を考えるうえで重要です。
「脂肪肝=食べ過ぎだけが原因」と考えるのは適切ではありません。脂肪肝には代謝異常だけでなく、アルコールが関係するタイプもあります。
特に肝機能異常や脂肪肝を指摘されている人は、飲酒量について医師に相談することが大切です。
AASLDの2026年のMASLD資料でも、アルコール摂取量の評価が推奨され、進行した線維化がある場合には禁酒が推奨されています。
「果物は脂肪肝に悪い」は本当?
果物には果糖が含まれるため、「脂肪肝なら果物も避けるべき」と考える人がいるかもしれません。
しかし、果物と清涼飲料水を同じように考える必要はありません。
果物には食物繊維やビタミンなども含まれています。
一方、果汁飲料や砂糖入り飲料では、糖分を飲み物として摂取しやすくなります。
したがって、脂肪肝予防では「果物を完全に禁止する」というより、ジュースなどの甘い飲料を減らし、果物も含めて食べ過ぎないことを意識するのが現実的です。
脂肪肝を予防する1日の食事イメージ
特別な健康食品を買わなくても、普段の食事を少し変えるだけで対策できます。
朝食
- ご飯
- 納豆
- 卵
- 野菜や具だくさんの味噌汁
- 無糖の飲み物
昼食
- ご飯
- 焼き魚または鶏肉
- 野菜の副菜
- 海藻やきのこ類
夕食
- ご飯は食べ過ぎない
- 魚または大豆製品
- 野菜を多めに
- 汁物
- 揚げ物は頻度を控える
このように考えると、「脂肪肝専用の特別なメニュー」を毎日作る必要はありません。
普通の日本食をベースに、食べ過ぎ・糖分・脂質の摂り過ぎを見直す。
これが継続しやすい方法です。
食事だけでなく「体重」と「運動」も重要
脂肪肝対策では、食品の選び方だけに注目しないことも大切です。
体重が多い場合には、無理のない範囲で減量することが肝臓の脂肪を減らす有効な方法になります。AASLDでは、5~10%程度の体重減少が肝脂肪や炎症、線維化の改善につながることが示されています。
また、運動も重要です。
ウォーキングなどの有酸素運動に加え、筋力トレーニングなども組み合わせるとよいでしょう。AASLDでは、週150分程度の中強度の運動などが一つの目安として示されています。
「毎日30分運動しなければならない」と考えて挫折するより、
食後に10分歩く
など、日常生活に組み込める方法から始めるほうが継続しやすいでしょう。
まとめ:脂肪肝予防は「特別な食品」より食生活全体を見直す
脂肪肝を予防するために、特定の食品やサプリメントだけに頼る必要はありません。
基本となるのは、
- 食べ過ぎを防ぐ
- 野菜・豆類・きのこ・海藻を増やす
- 魚を取り入れる
- 大豆製品を活用する
- 食物繊維を意識する
- 飽和脂肪酸の摂り過ぎを避ける
- 甘い飲み物を減らす
- お菓子や揚げ物を食べ過ぎない
- 飲酒量を見直す
- 適度に運動する
- 体重が多い場合は無理のない減量を行う
という生活です。
特に重要なのは、「肝臓に良いものを追加する」より、「肝臓に負担となる食べ過ぎや飲み過ぎを減らす」ことです。
また、健康診断でALT、AST、γ-GTPなどの異常を指摘された場合や、腹部超音波検査などで脂肪肝を指摘された場合は、自己判断で食事療法だけを続けず、医療機関で原因や肝臓の状態を確認しましょう。
脂肪肝は自覚症状が乏しいこともあります。だからこそ、症状がない段階から毎日の食事と運動を少しずつ整えることが大切です。
参考情報
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
厚生労働省「生活習慣病予防」
American Association for the Study of Liver Diseases(AASLD)「Steatotic Liver Disease: Cutting Through the Fat」


