糖尿病でやってはいけないこと10選|食事・運動・生活習慣の注意点

糖尿病でやってはいけないこと10選をテーマに、血糖測定器を中心に甘い飲み物、喫煙、薬の自己判断、夜更かし、運動不足、食べ過ぎなどの注意点を示したイラスト。食事・運動・生活習慣の注意点を表現。

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糖尿病と診断されたとき、「何を食べてはいけないの?」「運動すればするほど良いの?」「薬を飲んでいれば大丈夫?」と疑問に思う人は少なくありません。

糖尿病では、血糖値を一時的に下げることだけでなく、高血糖が長く続かない生活をつくることが重要です。

高血糖が続くと、糖尿病網膜症・腎症・神経障害などの合併症に加え、動脈硬化が進み、脳卒中や心臓病のリスクにも関係します。

そこで今回は、糖尿病の人が日常生活で特に注意したい「やってはいけないこと」を10個に整理します。

※この記事は一般的な情報です。糖尿病の治療内容は、病型、薬、腎機能、合併症などによって異なります。食事量や運動量、薬の調整については主治医や管理栄養士に相談してください。

やってはいけないこと10選

1.甘い飲み物を習慣的に飲む

糖尿病でまず見直したいのが、ジュース、清涼飲料水、加糖コーヒー、エナジードリンクなどです。

飲み物は固形の食品よりも手軽に摂取できるため、「それほど食べていないのに糖質を摂っていた」ということがあります。

特に砂糖入り飲料を日常的に飲む習慣は、糖尿病のリスクを高めることが知られています。

普段の水分補給は、水や無糖のお茶などを基本にすると管理しやすくなります。

ただし、「糖質ゼロなら何でも大量に飲んでいい」という意味ではありません。

2.食事を抜いて、次の食事でまとめて食べる

「朝食を抜けば、その分カロリーを減らせる」と考える人もいます。

しかし、食事を抜いた反動で昼食や夕食を大量に食べると、血糖管理が難しくなることがあります。

厚生労働省も、糖尿病の食事では1日3食を基本として、規則正しく食べ、まとめ食いを避けることを勧めています。

大切なのは、

食べないことではなく、適量を規則正しく食べること。

という考え方です。

3.「糖質だけ」を極端に制限する

糖尿病だからといって、自己判断でご飯やパンなどの炭水化物を極端に減らすのもおすすめできません。

糖質は血糖値を上げる主要な栄養素ですが、炭水化物には食物繊維も含まれます。

厚生労働省は、糖尿病の食事について「特別な食事」ではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスのよい食事を基本としています。

玄米、大麦、豆類、野菜、きのこ、海藻など、食物繊維を含む食品を取り入れる方法もあります。

ただし、腎臓の状態によっては食事内容の調整が必要になる場合があります。

4.「糖尿病だから果物は禁止」と極端に考える

果物にも糖質は含まれます。

だからといって、糖尿病になったら果物を一切食べてはいけない、という単純な話ではありません。

重要なのは量と食事全体のバランスです。

「糖尿病に良い食品」「糖尿病に悪い食品」と単純に分けるより、

  • どれくらい食べるか
  • 何と一緒に食べるか
  • 1日の食事全体がどうなっているか

を見ることが大切です。

5.運動を一度に頑張りすぎる

糖尿病には運動療法が重要です。

一般的には、中等度の有酸素運動を週150分以上、週3回以上行うことなどが推奨されています。また、週2~3回程度のレジスタンス運動も勧められています。

しかし、

「血糖値を下げるために、いきなり激しい運動をする」

のは避けたほうがよいでしょう。

年齢、体力、合併症などによって適切な運動量は異なります。

まずはウォーキングなど、継続できる運動から始めることが現実的です。

6.薬を自己判断で減らしたり中止したりする

血糖値が改善すると、

「もう薬はいらないのでは?」

と思ってしまうことがあります。

しかし、血糖値が良くなった理由が、薬によるものなのか、食事や運動によるものなのかは、自分だけでは判断できません。

糖尿病では、食事療法・運動療法だけで十分でない場合、薬による治療が必要になることがあります。

薬を減らしたい、やめたいと思った場合は、自己判断ではなく主治医に相談しましょう。

7.運動すれば薬や食事管理は不要だと考える

これもよくある誤解です。

糖尿病治療は、

食事療法・運動療法・薬物療法

を患者さんの状態に合わせて組み合わせて行います。

「毎日歩いているから、甘いものを食べても大丈夫」

「薬を飲んでいるから食事は気にしなくていい」

という考え方ではなく、それぞれを組み合わせて血糖・体重・血圧・脂質などを管理していくことが重要です。

8.睡眠不足やストレスを放置する

糖尿病対策というと食事と運動ばかりに目が向きますが、生活リズムも無視できません。

睡眠不足や強いストレスが続けば、生活習慣全体が崩れやすくなります。

夜遅くまでスマートフォンを見ている。

夕食が深夜になる。

疲れて運動しなくなる。

ストレスから間食が増える。

こうした小さな変化が積み重なれば、血糖管理にも影響します。

糖尿病対策は「食べ物だけの問題」と考えず、生活全体を整えることが大切です。

9.喫煙を続ける

糖尿病では血糖値だけでなく、動脈硬化や心血管疾患についても注意する必要があります。

糖尿病は脳卒中や虚血性心疾患などのリスクと関係しています。

そのため、喫煙習慣がある場合は禁煙を検討することが重要です。

「血糖値さえ正常なら大丈夫」と考えるのではなく、血管を守るという視点も持ちましょう。

10.健康診断や受診を後回しにする

糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどないことがあります。

そのため、

「体調が悪くないから大丈夫」

という判断は危険です。

血糖値やHbA1cなどの検査を受け、必要に応じて医療機関で評価してもらうことが大切です。

また、糖尿病では目、腎臓、神経などの合併症にも注意する必要があります。

糖尿病は「症状が出てから対処する病気」ではなく、症状が少ない段階から管理していく病気だと考えるとよいでしょう。

糖尿病で本当に避けたいのは「極端な生活」

ここまで10個紹介しましたが、実は共通しているポイントがあります。

それは、

「極端なことをしない」

ということです。

糖尿病と診断されると、

「炭水化物を全部やめよう」

「毎日1万歩絶対に歩こう」

「甘いものは一生禁止」

など、極端な目標を立ててしまう人がいます。

しかし、糖尿病の食事療法は、特定の食品を完全に排除することが目的ではありません。

適正なエネルギー量を確保しながら、主食・主菜・副菜を組み合わせ、バランスよく食べることが基本です。

そして運動も、「できるだけ激しく」ではなく、自分の状態に合った運動を継続することが重要です。

今日から始めるなら、この5つ

糖尿病対策を始めるなら、いきなり生活を全部変える必要はありません。

まずは次の5つから始めてみましょう。

  1. 甘い飲み物を減らす
  2. 食事を抜いてまとめ食いしない
  3. 主食・主菜・副菜を意識する
  4. 無理のない範囲で歩く
  5. 薬や受診について自己判断しない

これだけでも、生活を見直すきっかけになります。

糖尿病の治療は「我慢大会」ではありません。

長期間続けられる生活をつくり、その結果として血糖値や体重、血圧などを良い状態に近づけていくことが大切です。

なお、2026年には日本糖尿病学会から患者向けの「糖尿病治療の手びき2026(改訂第59版)」も発行されています。最新の治療情報を確認したい場合は、主治医や医療機関で相談するのがおすすめです。

まとめ

糖尿病で避けたいのは、単純に「甘いもの」だけではありません。

食べ過ぎ、まとめ食い、運動不足、無理な運動、薬の自己中断、喫煙、受診の先延ばしなど、血糖管理を不安定にする生活習慣全体に注意する必要があります。

一方で、糖尿病になったからといって、人生の楽しみをすべて諦める必要もありません。

大切なのは、禁止事項を増やすことではなく、自分に合った食事・運動・生活リズムを無理なく続けることです。

そのためにも、自己流で極端な制限をするのではなく、主治医や管理栄養士と相談しながら、自分が長く続けられる方法を見つけていきましょう。