うつ病になりやすい職業ランキングTOP5|介護・医療・教育が危険?現場の声と対策を徹底解説

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現代、日本でもうつ病(気分障害)やメンタル不調で医療を受ける人は増え続けています

厚生労働省の集計では精神疾患を有する総患者数が約603万人にのぼり、その中で「気分(感情)障害(うつ病を含む)」は精神科領域の大きな割合を占めています。

最新のデータを踏まえ、「うつ病になりやすい職業」上位5つを挙げ、年間の患者・休職の実数や「なぜなりやすいのか」を解説します(出典は末尾にまとめています)。

うつ病患者のランキング

第1位:介護職(介護福祉士・介護職員)

理由・状況
人手不足による過重労働、夜勤や不規則な勤務、利用者の急変や看取りに伴う感情的負荷、職場の人間関係などが重なりやすい職場です。介護現場では約3割の職員が強い精神的負担を感じているという調査報告もあります。メンタル不調が原因で退職や長期休職に至るケースが多く、現場の離職→人手不足→負担増という悪循環が問題です。

第2位:医療従事者(看護師・医師など)

理由・状況
命に関わる判断・夜勤・シフト制、患者や家族対応による感情労働、医療訴訟や過密スケジュールなどが重なります。看護師を対象にした調査では、多くの病院でメンタル不調による長期休職が生じており、メンタル不調者の平均人数が上昇していることが報告されています。現場復帰の難しさや再休職率の高さも指摘されています。

第3位:教育職(公立学校の教職員)

理由・状況
児童・生徒対応のストレス、保護者対応、膨大な校務(事務作業)、管理職と現場との負担差、夜間や休日の対応などが影響します。文部科学省の調査では、公立学校教職員の精神疾患による病気休職者数は令和5年度で7,119人に達し、過去最多となっています(公立教職員全体の約0.77%)。休職理由としては「児童・生徒に対する指導」「職場の対人関係」「校務分掌など事務的業務」が上位です。

第4位:接客・サービス業(飲食、宿泊、販売など)

理由・状況
対人対応が中心で「感情労働」を強いられます。客のクレームや長時間の立ち仕事、不規則な勤務、低い裁量(自分で業務を変えられない)といった要素がうつリスクを高めます。対人ストレスが慢性的に続くと、抑うつや燃え尽き(バーンアウト)につながりやすいと報告されています。

第5位:運輸・物流(トラック運転手・タクシー・バス運転手)

理由・状況
長時間労働や拘束時間、不規則な生活リズム、孤独感、渋滞や納期プレッシャー、過密スケジュールによる睡眠不足が主因です。トラックドライバーのメンタルヘルス研究では、うつ傾向や睡眠障害が目立ち、業務の孤立・低い仕事のコントロール感がうつリスクの要因として示されています。2024年以降、運輸業の時間外労働規制強化は進められていますが、職場実態の改善が求められています。

年間の患者数・休職者数

  • 精神疾患全体の患者数(外来+入院)は最新の厚生労働省資料で約603万人と報告されています(推計)。
    その中で「気分(感情)障害(躁うつ病含む)」が精神疾患全体の主要な部分を占めます(関連資料で30.4%という割合が示されています)。この割合を単純に当てはめると、気分障害の患者数は約183万人前後と推定されます(推計計算のため幅があります)。
  • 教職員の精神疾患による病気休職者数
    公立学校教職員で7,119人(令和5年度)。うつ病など精神疾患の休職者は近年増加傾向です。
  • 病院における看護師のメンタル不調の実態
    病院側の調査で「メンタル不調による長期休職がある」と回答した病院が多数あり、該当病院の平均休職者数は5人前後という調査報告があります(病院看護実態調査など)。
    ただし「うつ病患者が何人」と職業別に国が一律で集計しているわけではなく、業界団体や研究ごとに数え方が異なる点に注意が必要です。

注:職業別に「うつ病の患者数」を全国一律で出すのは難しく、政府の「患者調査」は傷病別患者数を示しますが、職業別集計は限られた分野(例:教職員の休職統計など)に限られます。本記事の数字は公的資料と業界調査を組み合わせた要約です。

うつ病が増える理由

  1. 過重労働・長時間労働 — 睡眠不足や慢性疲労は感情のコントロールを弱くします。
  2. 感情労働(表情・態度を作る仕事) — 本心を抑えて相手に合わせ続けると真のストレスが蓄積します。
  3. 仕事の裁量が小さい/コントロール感の低さ — 自分で働き方を調整できないと無力感が増します。
  4. 対人関係ストレス — クレーム対応、上司・同僚との摩擦、利用者や生徒への対応による慢性的な緊張。
  5. 職場の人手不足と休めない風土 — 代わりがいないため休みにくく、負担が偏る。
  6. トラウマ的経験(救急・事故・虐待現場など) — PTSDや適応障害を引き起こす場合もあります。

みんなの声

  • 「夜勤が続くと眠れず、そのうち何も楽しめなくなる」—— 看護師・介護職の多くに共通する訴え。
  • 「保護者対応や授業以外の事務が多く、業務が押し付けられている」—— 教員の精神疾患休職が増えた背景。
  • 「渋滞や納期プレッシャーで心が休まらない。休めても次の出勤がつらい」—— 運輸業の声。
    (※上記は調査・報道で繰り返し報告されている典型的な現場の声の要旨で、個別の発言を特定したものではありません。)

私たちはどうすればよいか — 個人・職場・社会のアプローチ

個人レベル(働く人ができること)

  • 早めに気づく:睡眠障害、無力感、興味の喪失、集中困難が続く場合は早期に医療窓口や産業保健に相談する。
  • 生活リズムの工夫:睡眠の固定化、朝の光を浴びる、適度な運動を取り入れる。
  • 仕事の小さな調整を試みる:上司との面談で業務軽減や配置転換を相談する。制度利用(休職・休暇)を恐れない。

企業・職場レベル(経営・現場ができること)

  • 労働時間の管理と代替要員の確保:長時間労働を是正するためのシフト設計や代替要員プラン。
  • 心理的安全性の確保:相談ルート(産業医、社内相談窓口、外部窓口)を周知し、相談しやすい雰囲気を作る。
  • 感情労働対策:接遇マニュアルやロールプレイ、クレーム時の支援体制の整備。
  • 復職支援プログラム:段階的な勤務復帰(リワーク)や職場調整を制度化する。厚労省や研究機関は業界別の対策指針も公開しています。

社会・行政レベル

  • 業界別のガイドラインと支援:介護・医療・運輸・教育など、業種ごとのリスクに応じた指針と財政支援の拡充。
  • メンタルヘルスの早期支援と啓発:学校・地域での相談窓口の強化、企業でのメンタルヘルス教育の義務化や促進。
  • 統計とモニタリングの充実:職業別データの整備により、より精度の高い対策が可能になります。

まとめ

うつ病やメンタル不調は「個人の弱さ」ではなく、働き方の構造や職場環境、業務特性が複合して生まれる社会問題です。

特に介護・医療・教育・接客・運輸といった職場では、慢性的な負担が蓄積しやすく、早期発見・早期対応が鍵になります。個人は自身のサインに敏感になり、職場は労働時間・相談窓口・復職支援を整備し、社会は業界ごとの支援とデータ整備を進める――これらが同時に進んでこそ、働く人の心の健康は守られます。