新型コロナワクチン健康被害の認定件数は?救済制度の最新状況をわかりやすく解説

新型コロナワクチンの健康被害認定件数と救済制度の最新状況を解説する記事の画像。ワクチン瓶や注射器、健康被害救済制度の書類を背景に、「健康被害の認定件数は?」と表示されている。

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新型コロナワクチンの接種後に、長期間の体調不良や障害、死亡などが生じた場合、「健康被害救済制度の対象になるのだろうか」と疑問に思う方もいるでしょう。

厚生労働省では、新型コロナワクチンについて、予防接種後に生じた健康被害の救済申請を受け付け、専門家による審査を行っています。

では、現在までに何件が申請され、何件が認定されているのでしょうか。

この記事では、厚生労働省の最新公表資料をもとに、新型コロナワクチンの健康被害救済制度について、できるだけ分かりやすく整理します。

この記事のポイント

  • 2026年9月17日時点で、累積の進達受理件数は15,644件
  • 認定件数は9,508件
  • 死亡一時金・葬祭料に関する認定は1,078件
  • 「健康被害の認定」と「ワクチンが原因だと厳密に証明された」という意味は同じではない
  • 2024年度以降は、定期接種と任意接種で救済制度が異なる

新型コロナワクチンの健康被害認定件数は?

まず、最も知りたい数字から見ていきましょう。

厚生労働省が2026年9月17日に公表した新型コロナワクチン健康被害審査第二部会の資料では、これまでの累積について次のように示されています。

区分件数
進達受理件数15,644件
認定件数9,508件
否認件数4,920件
保留件数20件

また、死亡一時金または葬祭料に関するものでは、

区分件数
進達受理件数2,027件
認定件数1,078件
否認件数793件
保留件数1件

となっています。

つまり、2026年9月17日時点で、累積の認定件数は9,508件、死亡一時金・葬祭料に関する認定は1,078件です。

なお、ここでいう「件数」は、すべてが単純に「9,508人」という意味になるわけではありません。

救済制度では、医療費・医療手当、障害年金、死亡一時金など給付の種類ごとに集計される場合があるため、記事を書く際には「認定件数」と「認定された人数」を混同しないことが重要です。

「認定」とは、ワクチンが原因だと完全に証明されたということ?

ここは、この問題を理解するうえで非常に重要なポイントです。

健康被害救済制度の「認定」は、通常の医学研究でいう「ワクチンが原因であることを厳密に証明した」という意味とは異なります。

厚生労働省は、健康被害救済制度について、個々の事例について医学的な検討を行ったうえで、

  • 症状の発生に医学的な合理性があるか
  • 接種との時間的な密接性があるか
  • 他の原因によるものと考える合理性がないか

などを検討すると説明しています。

そのうえで、認定については、

「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とする」

という考え方で審査されています。

したがって、

「9,508件認定された=9,508件についてワクチンが原因だと科学的に完全証明された」

と単純に理解するのは適切ではありません。

一方で、

「認定されたのだからワクチンとの関係は一切調べられていない」

という理解も正確ではありません。

個々の申請について、医学的な資料をもとに専門家による審査が行われています。

この「認定制度の基準」と「医学研究における因果関係の証明」は別物であるという点を理解しておくことが大切です。

なぜ健康被害救済制度があるの?

予防接種には、一定の割合で健康被害が起こる可能性があります。

そのため、予防接種法では、予防接種によって健康被害が生じた場合に、一定の条件のもとで救済する制度が設けられています。

厚生労働省は、この制度について、予防接種による健康被害は極めてまれではあるものの、完全になくすことはできないため、接種に伴う健康被害を救済する仕組みとして設けられていると説明しています。

重要なのは、接種した医師や自治体に過失があったことを証明する制度ではないということです。

予防接種法に基づく健康被害救済制度では、接種に係る過失の有無にかかわらず、審査によって対象と認められれば給付が行われます。

どんな給付を受けられるの?

健康被害の状態によって、給付の種類が異なります。

代表的なものには、

  • 医療費
  • 医療手当
  • 障害年金
  • 障害児養育年金
  • 死亡一時金
  • 遺族年金
  • 遺族一時金
  • 葬祭料

などがあります。

つまり、「健康被害が認定される」というのは、単に診断書が認められるというだけではありません。

治療が必要になったケース、障害が残ったケース、死亡したケースなど、それぞれに応じた救済給付があります。

2024年度から制度が変わった

新型コロナワクチンについては、2024年3月末までと2024年度以降で、接種制度が大きく変わりました。

2024年3月末までは、新型コロナワクチンは「特例臨時接種」として行われていました。

その後、2024年度からは、原則として65歳以上などを対象とするB類疾病の定期接種に変更されています。

一方、定期接種の対象者以外が受ける場合などは、任意接種となります。

ここが、現在の救済制度を理解するうえで非常に重要です。

定期接種の場合

予防接種法に基づく定期接種で健康被害が生じた場合は、原則として予防接種健康被害救済制度の対象になります。

任意接種の場合

予防接種法に基づかない任意接種の場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象となります。

つまり、

「新型コロナワクチンなら、すべて同じ救済制度」というわけではありません。

接種した時期や、定期接種だったのか任意接種だったのかによって、請求先や制度が変わります。

任意接種の救済制度では何件認定されている?

ここも注意したいところです。

2026年2月の厚生労働大臣会見では、新型コロナワクチンについて、任意接種を対象とする「医薬品副作用被害救済制度」の申請件数・認定件数は、その時点で0件と説明されています。

一方、ここまで紹介してきた9,508件という数字は、主に新型コロナワクチンの予防接種健康被害救済制度における累積認定件数です。

この2つを混ぜると、数字の意味が分からなくなってしまいます。

「副反応疑い報告」と「健康被害救済制度」は別の制度

新型コロナワクチンについて調べていると、

「副反応疑い報告」

という数字も出てきます。

しかし、これは健康被害救済制度とは別の仕組みです。

副反応疑い報告制度

医師などから、ワクチン接種後に副反応が疑われる症状について報告を受け、安全性の評価などに利用する制度です。

健康被害救済制度

ワクチン接種によって健康被害が生じたとして申請された個別事例について、専門家が審査し、救済の対象となるかを判断する制度です。

このため、

「副反応疑い報告の件数=健康被害認定件数」

ではありません。

厚生労働省も、両制度では目的や因果関係の評価方法が異なると説明しています。

健康被害救済制度では、どのように審査される?

申請されたすべてのケースが、そのまま認定されるわけではありません。

厚生労働省の審査資料では、個々の事例について、

  1. 症状の発生に医学的な合理性があるか
  2. 接種との時間的な密接性があるか
  3. 他の原因によるものと考える合理性がないか

などを検討するとされています。

そして、その結果として、

  • 認定
  • 否認
  • 保留

などに分かれます。

2026年9月17日時点では、累積で15,644件が進達され、9,508件が認定、4,920件が否認、20件が保留となっています。

死亡認定は1,078件

特に関心が集まりやすいのが、死亡に関する認定です。

2026年9月17日時点では、「死亡一時金または葬祭料」に関する累積の進達受理件数が2,027件、そのうち認定件数が1,078件とされています。

ここでも注意したいのは、

「死亡認定1,078件=ワクチンが死亡原因だと医学的に確定した1,078人」

と単純化しないことです。

健康被害救済制度は、厳密な医学的因果関係の証明を必須とする制度ではなく、接種後の症状などについて、予防接種によって起こったことを否定できない場合も対象とする考え方で審査されています。

一方で、個々の事例について医学的資料をもとに専門家による審査が行われていることも押さえておく必要があります。

認定件数が多いからといって、接種のリスクをそのまま計算できるわけではない

ここは数字を見るときに非常に重要です。

「9,508件認定された」という数字だけを見て、

「接種した人のうち何%が健康被害になった」

と計算することはできません。

なぜなら、認定件数は「救済制度に申請され、審査された事例」の数字だからです。

一方、接種回数は数億回規模に達しています。

したがって、認定件数から直接、

  • ワクチンの副反応発生率
  • 死亡リスク
  • 一般人口との死亡率の比較
  • ワクチン接種による超過死亡

などを算出することはできません。

こうした問題を検討する場合には、接種者全体を対象にした疫学研究や、比較対象を置いた統計分析など、別のデータが必要になります。

健康被害が疑われる場合、どこに相談すればいい?

実際に接種後の健康被害で困っている場合、まず重要なのは接種を受けた時点の住民票所在地の市町村に相談することです。

厚生労働省は、予防接種健康被害救済制度について、申請に必要な手続きなどは、予防接種を受けたときに住民票を登録していた市町村に相談するよう案内しています。

また、申請では医療機関の診断書や診療録などの資料が必要になる場合があります。

そのため、

  • 接種日
  • 接種したワクチン
  • 接種後に症状が出た時期
  • 症状の経過
  • 受診した医療機関
  • 診断名
  • 治療内容
  • 入院歴
  • 接種記録

などを整理しておくと、相談しやすくなります。

これからも認定件数は増える可能性がある

新型コロナワクチンの健康被害救済制度は、過去の接種分についても審査が続いています。

実際、厚生労働省の審議会では2026年にも新型コロナワクチンに関する審査部会が継続的に開催されています。2026年9月17日にも第44回の審査第二部会が開催されています。

そのため、今後も申請・審査の進展によって累積件数が変化する可能性があります。

まとめ|新型コロナワクチン健康被害認定は9,508件

2026年9月17日時点で、厚生労働省が公表している新型コロナワクチン健康被害救済制度の累積実績は、

  • 進達受理件数:15,644件
  • 認定件数:9,508件
  • 否認件数:4,920件
  • 保留件数:20件
  • 死亡一時金・葬祭料の認定:1,078件

となっています。

ただし、健康被害救済制度の「認定」は、通常の医学研究でいう「ワクチンが原因であることが完全に証明された」という意味ではありません。

制度では、個々の事例について医学的な合理性や接種との時間的関係、他の原因の可能性などを検討したうえで、厳密な医学的因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象として審査しています。

また、健康被害救済制度と副反応疑い報告制度は別物です。

数字を正しく理解するためには、

「救済制度の認定件数」
「副反応疑い報告」
「医学研究による因果関係の評価」

を分けて考えることが重要です。

そして現在の新型コロナワクチンでは、定期接種なのか任意接種なのかによって利用する救済制度も異なります。

「ワクチン接種後から体調が変わった」と感じている方は、ネット上の情報だけで判断せず、まず医療機関に相談し、接種を受けた時点の住民票所在地の市町村に健康被害救済制度について相談することが大切です。

参考:厚生労働省の最新情報

厚生労働省では、健康被害救済制度の認定数や審議結果を継続的に公開しています。

記事を読む時点で最新の数字を確認したい場合は、厚生労働省の「予防接種健康被害救済制度 認定数」および疾病・障害認定審査会の審議結果を確認するとよいでしょう。