脂質異常症とは?コレステロールと中性脂肪が高い・低い原因をやさしく解説

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健康診断で「LDLコレステロールが高い」「HDLコレステロールが低い」「中性脂肪が高い」と指摘されたことはありませんか?
これらは、まとめて「脂質異常症」と呼ばれる状態に関係しています。
脂質異常症という名前から、「血液中の脂肪が多すぎる病気」と考えがちですが、実際には少し違います。
LDLコレステロールや中性脂肪が高い場合だけでなく、HDLコレステロールが低い場合も脂質異常症に含まれます。
そして注意したいのが、脂質異常症は自覚症状がほとんどないまま動脈硬化を進めることがあることです。動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞などにつながる可能性があります。
この記事では、脂質異常症について、
- 脂質異常症とは何か
- LDL・HDLコレステロールの違い
- 中性脂肪とは何か
- どの数値から脂質異常症なのか
- なぜ数値が高くなるのか
- HDLが低くなる原因
- 食事や運動で何を改善すればよいのか
- 病院を受診したほうがよいケース
をできるだけわかりやすく解説します。
- 1. 脂質異常症とは?
- 2. LDL・HDL・中性脂肪は何が違う?
- 2.1. LDLコレステロールとは?
- 2.2. HDLコレステロールとは?
- 2.3. 中性脂肪とは?
- 3. 脂質異常症の基準値は?
- 4. LDLコレステロールが高くなる原因
- 4.1. 1.飽和脂肪酸の摂り過ぎ
- 4.2. 2.運動不足
- 4.3. 3.肥満・内臓脂肪
- 4.4. 4.遺伝
- 5. 中性脂肪が高くなる原因
- 6. HDLコレステロールが低くなる原因
- 7. 「コレステロールが低い」のは脂質異常症?
- 8. 脂質異常症は症状がある?
- 9. 脂質異常症になったら、まず何をすればいい?
- 9.1. ① 肉の脂身を減らす
- 9.2. ② 魚を取り入れる
- 9.3. ③ 甘い飲み物を減らす
- 9.4. ④ 運動する
- 9.5. ⑤ 禁煙する
- 10. コレステロールは「全部悪い」わけではない
- 11. 脂質異常症で特に注意したい人
- 12. まとめ|脂質異常症は「症状がないうち」に対策する
脂質異常症とは?
脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準から外れた状態です。
代表的なのは、次の3つです。
| 項目 | 異常の状態 | 一般的な呼び方 |
|---|---|---|
| LDLコレステロール | 高い | 悪玉コレステロール |
| HDLコレステロール | 低い | 善玉コレステロール |
| 中性脂肪(TG) | 高い | トリグリセライド |
つまり、「脂質が高い」だけが脂質異常症ではありません。
LDLが高い、HDLが低い、中性脂肪が高いという3つのパターンがあります。
以前は「高脂血症」という言葉がよく使われていましたが、HDLコレステロールの低下も含めて表現するため、現在は「脂質異常症」という名称が使われています。
LDL・HDL・中性脂肪は何が違う?
脂質異常症を理解するには、まず健康診断でよく見る3つの数値を知っておくことが大切です。
LDLコレステロールとは?
LDLは、肝臓から全身へコレステロールを運ぶ役割を持つリポタンパク質です。
コレステロールそのものは、細胞膜やホルモンなどを作るために必要な物質です。
しかし、血液中のLDLコレステロールが多い状態が続くと、動脈硬化との関係が深くなります。
そのため、一般的には「悪玉コレステロール」と呼ばれています。
HDLコレステロールとは?
HDLは、余分なコレステロールを回収して肝臓へ運ぶ働きを持っています。
そのため、一般的には「善玉コレステロール」と呼ばれます。
ただし、「HDLは高ければ高いほどよい」と単純に考えるのも適切ではありません。日本動脈硬化学会は、極端に高いHDLコレステロールについても注意が必要な場合があると説明しています。
中性脂肪とは?
中性脂肪は、体を動かすためのエネルギーとして利用される脂質です。
食事から摂取したエネルギーが余ると、中性脂肪として蓄えられます。
そのため、
- 食べ過ぎ
- 甘いものの摂り過ぎ
- 清涼飲料水の飲み過ぎ
- アルコールの摂り過ぎ
- 運動不足
などが、中性脂肪の上昇につながることがあります。
脂質異常症の基準値は?
日本動脈硬化学会の診断基準では、主に次の数値が使われています。
| 検査項目 | 脂質異常症の診断基準 |
|---|---|
| LDLコレステロール | 140mg/dL以上 |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満 |
| 中性脂肪(空腹時) | 150mg/dL以上 |
| 中性脂肪(随時) | 175mg/dL以上 |
| non-HDLコレステロール | 170mg/dL以上 |
ただし、ここで重要なのは、この数字だけで治療方針が決まるわけではないということです。
動脈硬化のリスクは、
- 年齢
- 性別
- 血圧
- 糖尿病
- 喫煙
- 腎臓の状態
- すでに心筋梗塞などを起こしたことがあるか
- 家族歴
などによって変わります。
そのため、「LDLが139だから安全」「140だから必ず薬が必要」というように、1つの数字だけで判断するものではありません。
LDLコレステロールが高くなる原因
LDLコレステロールが高くなる原因には、生活習慣だけでなく遺伝的な要因などもあります。
代表的なものは次の通りです。
1.飽和脂肪酸の摂り過ぎ
LDLコレステロールを高くする食生活として、特に注意したいのが飽和脂肪酸の摂り過ぎです。
多く含まれる食品には、
- 肉の脂身
- バター
- ラード
- 生クリーム
- 一部の加工食品
- 脂肪の多い菓子類
などがあります。
「コレステロールを下げるためには卵を食べなければいい」と考えがちですが、実際にはまず飽和脂肪酸の摂り過ぎを見直すことが重要です。
2.運動不足
運動不足は、肥満や中性脂肪の上昇などを通して脂質バランスの悪化につながります。
3.肥満・内臓脂肪
特に内臓脂肪が多い場合、中性脂肪が高くなり、HDLコレステロールが低くなるなど、脂質のバランスが崩れやすくなります。
4.遺伝
生活習慣に問題がなくても、遺伝的にLDLコレステロールが高くなる人がいます。
代表的なのが家族性高コレステロール血症(FH)です。
特に未治療のLDLコレステロールが非常に高い場合や、家族に若くして心筋梗塞などを起こした人がいる場合は、医療機関で相談することが大切です。
中性脂肪が高くなる原因
中性脂肪は、食生活の影響を比較的受けやすい脂質です。
特に注意したいのが、エネルギーの摂り過ぎです。
代表的な原因として、
- 食べ過ぎ
- 甘いお菓子
- 清涼飲料水
- 糖質の摂り過ぎ
- アルコール
- 脂っこい食事
- 運動不足
- 肥満
などがあります。
「脂肪を食べたから中性脂肪が高くなる」と考えやすいのですが、実際には糖質やアルコール、総エネルギー摂取量なども重要です。
HDLコレステロールが低くなる原因
HDLコレステロールが低い場合には、
- 運動不足
- 肥満
- 喫煙
- 中性脂肪の上昇
などが関係することがあります。
特に中性脂肪が高くHDLが低いという組み合わせは珍しくありません。
そのため、HDLだけを無理に上げようとするのではなく、
体重・中性脂肪・運動・喫煙などをまとめて見直す
ことが大切です。
なお、「HDLを上げるためにお酒を飲む」という方法はおすすめできません。飲酒には高血圧や肝障害など別のリスクがあるためです。
「コレステロールが低い」のは脂質異常症?
ここは少し注意が必要です。
一般的な脂質異常症の診断基準では、
LDLコレステロールが高い
HDLコレステロールが低い
中性脂肪が高い
ことが中心です。
つまり、「LDLコレステロールが低い=脂質異常症」と単純に考えるわけではありません。
一方で、コレステロール値が極端に低い場合や、以前は普通だったのに急に低下してきた場合には、別の病気や体の状態が関係している可能性があります。
そのため、検査結果で「低すぎる」と指摘された場合には、自己判断で放置せず医師に相談するのが安全です。
脂質異常症は症状がある?
脂質異常症の大きな特徴の一つが、自覚症状がほとんどないことです。
高血圧と同じように、「数値が悪いから体調が悪い」とは限りません。
本人が元気だと思っていても、長期間にわたって脂質異常が続くことで動脈硬化が進行することがあります。
そして動脈硬化が進むと、
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 脳梗塞
- 末梢動脈疾患
などの動脈硬化性疾患につながる可能性があります。
だからこそ、脂質異常症では「症状がないから大丈夫」と考えないことが重要です。
脂質異常症になったら、まず何をすればいい?
脂質異常症を指摘されたからといって、いきなり薬だけに頼るとは限りません。
生活習慣の改善が治療の基本になります。
まず取り組みやすいのは次の5つです。
① 肉の脂身を減らす
肉を食べるときは脂身の少ない部位を選ぶなど、飽和脂肪酸の摂り過ぎを避けます。
② 魚を取り入れる
魚、とくに青魚にはEPAやDHAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸が含まれています。
これらは中性脂肪の改善に役立つことが期待されています。
③ 甘い飲み物を減らす
中性脂肪が高い人は、
- 清涼飲料水
- 加糖コーヒー
- ジュース
- 甘いお菓子
などを見直してみましょう。
④ 運動する
脂質異常症の改善には、有酸素運動を中心とした定期的な身体活動が推奨されています。
厚生労働省の情報では、中強度以上の有酸素運動を中心に、毎日合計30分以上を目標にすることが紹介されています。
ただし、急に激しい運動を始める必要はありません。
ウォーキングなど、自分の体力に合わせて継続できる運動から始めることが大切です。
⑤ 禁煙する
喫煙はHDLコレステロールの低下などと関係します。
脂質だけを見るのではなく、動脈硬化全体のリスクを下げるという意味でも禁煙は重要です。
コレステロールは「全部悪い」わけではない
ここは、脂質異常症を理解するうえで非常に重要なポイントです。
コレステロールそのものが悪いわけではありません。
コレステロールは、
- 細胞膜
- ホルモン
- 胆汁酸
などの材料として体に必要な物質です。
問題なのは、血液中の脂質のバランスが崩れ、特定の脂質が高い状態や低い状態が続くことです。
したがって、
「コレステロールは悪いから、できるだけゼロにしよう」
という考え方は適切ではありません。
大切なのは、自分の検査値がどのような状態なのかを知り、必要に応じて改善することです。
脂質異常症で特に注意したい人
次のような人は、一度検査結果を確認しておきたいところです。
- 健康診断でLDLが高いと言われた
- 中性脂肪が高い
- HDLが低い
- 血圧も高い
- 血糖値も高い
- 喫煙している
- 肥満・内臓脂肪が気になる
- 家族に若くして心筋梗塞になった人がいる
- LDLが非常に高い
- 過去に心筋梗塞・狭心症・脳梗塞などを経験している
脂質異常症は、単独の数値だけではなく、他の危険因子との組み合わせで動脈硬化リスクを考える必要があります。
まとめ|脂質異常症は「症状がないうち」に対策する
脂質異常症とは、血液中の脂質のバランスが崩れた状態です。
ポイントをまとめると、
- LDLコレステロールが高い
- HDLコレステロールが低い
- 中性脂肪が高い
という状態が代表的です。
そして、脂質異常症で最も注意したいのが、自覚症状がないまま動脈硬化が進む可能性があることです。
一方で、生活習慣を見直すことで改善が期待できるケースもあります。
まずは、
食べ過ぎを減らす → 肉の脂身を控える → 魚・野菜などを取り入れる → 運動する → 禁煙する
といった、できることから始めてみましょう。
ただし、遺伝的な要因などで脂質が高くなる場合もあります。
健康診断で異常を指摘された場合は、「食事に気をつければ大丈夫」と自己判断せず、検査結果を持って医療機関に相談することが大切です。
※この記事は脂質異常症について一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を行うものではありません。検査値の評価や薬の使用については、医師・医療機関にご相談ください。


