食道がんと熱い飲み物の関係|熱い飲食物が与える影響と予防のポイント

熱いラーメンを箸で持ち上げる様子と「食道がんと熱い飲み物の関係」の文字を配置した画像。熱い飲食物が食道に与える影響と予防のポイントを表現しています。

※ 本ページはプロモーションが含まれています。
※ 他のトラブル解決も“ノジオ”で検索

熱いお茶、コーヒー、スープ、味噌汁などを、熱々のまま飲んだり食べたりしていませんか?

日本では「熱いものは熱いうちに」という感覚もありますが、近年の研究では、非常に熱い飲み物や食べ物を習慣的に摂取することと、食道がんとの関連が調べられています。

国際がん研究機関(IARC)は、65℃を超える「非常に熱い飲み物」を、ヒトに対して「おそらく発がん性がある(Group 2A)」と分類しています。

では、普段のお茶やコーヒーも危険なのでしょうか。

この記事では、熱い飲食物と食道がんの関係、どのような温度が問題になるのか、そして日常生活でできる対策について整理します。

熱い飲み物は食道がんと関係がある

まず知っておきたいのは、「非常に熱い飲み物」と食道がんには関連が報告されているということです。

国際がん研究機関(IARC)は2016年、「65℃を超える非常に熱い飲み物」を「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と評価しました。

ここで注意したいのは、

「熱い飲み物を飲めば食道がんになる」

という意味ではないことです。

IARCの分類は、非常に熱い飲み物と食道がんとの間に、信頼できる関連があることを示すものです。しかし、どの程度の量を、どれくらいの期間飲めば発がんするのか、個人のリスクが何%上昇するのかまでは分かっていません。

つまり、

熱い飲み物=食道がんになる

ではなく、

非常に熱い飲み物を繰り返し摂取する習慣は、食道がんのリスク要因の一つとして考えられている

と理解するのが適切です。

65℃以上が一つの目安になっている

IARCが「非常に熱い」としているのが、65℃を超える飲み物です。

これは、かなり熱い温度です。

例えば、淹れたばかりのお茶やコーヒー、熱々のスープなどは、飲食する時点でもかなり高温になっている場合があります。

ただし、

「65℃未満なら安全」「64℃なら問題ない」

という意味ではありません。

研究では温度が連続的な要因として扱われることもあり、温度が高いほどリスクとの関連が強くなる傾向が報告されています。

そのため、65℃という数字を「安全ライン」と考えるより、

「口に入れたときに熱すぎるものを、無理にそのまま飲み込まない」

という生活習慣に置き換えるほうが現実的です。

なぜ熱い飲食物が食道に影響するのか

考えられている理由の一つが、食道の粘膜への熱による刺激や損傷です。

非常に熱い飲み物を繰り返し摂取すると、口や食道の粘膜に熱刺激が加わります。

IARCの評価では、非常に熱い飲み物による食道がんとの関連について、疫学研究だけでなく動物実験なども検討されています。実験では、65℃の非常に熱い水が食道腫瘍の発生を促進した結果も報告されています。

また、国立がん研究センターも、熱い飲み物や食べ物を熱いまま摂取すると、食道がんのリスクが高まるという報告が多く、食道の炎症リスクを高める研究結果もあるとして、「少し冷ましてから」摂取することを勧めています。

熱い「飲み物」だけでなく「食べ物」も注意

この問題は、お茶やコーヒーだけではありません。

例えば、

  • 熱々の味噌汁
  • スープ
  • ラーメン
  • うどん
  • 鍋料理
  • 熱いおかゆ
  • 熱々の煮物

なども、温度が非常に高ければ食道への熱刺激になります。

国立がん研究センターも「熱すぎる飲み物や食べ物」をがんのリスク要因の一つとして挙げています。

したがって、

「コーヒーは冷ますけれど、ラーメンは熱々のまま食べる」

という場合も、温度という観点では同じように考える必要があります。

「熱いお茶」が問題なのではない

ここは誤解しやすいポイントです。

食道がんとの関連が問題になっているのは、基本的に飲み物の種類そのものよりも、非常に高い温度で摂取することです。

IARCの資料では、マテ茶について、飲み物の量だけではなく温度との関係が検討され、非常に熱い状態で飲む場合に食道がんリスクとの関連が認められた研究が紹介されています。

したがって、

「お茶は危険」

「コーヒーは危険」

と単純化するのではなく、

「熱すぎる状態で繰り返し飲食する習慣に注意する」

と理解することが大切です。

食道がんでは「喫煙」と「飲酒」も重要

熱い飲食物について調べると、「熱いものだけを避ければ食道がんを防げる」と考えてしまうかもしれません。

しかし、これは正しくありません。

国立がん研究センターによると、食道がんの主な要因は喫煙と飲酒です。特に日本人に多い扁平上皮がんでは、喫煙と飲酒との強い関連が指摘されています。

さらに、喫煙と飲酒の両方の習慣がある場合には、リスクがより高くなることも指摘されています。

そのため、食道がん予防を考えるなら、

「熱いものを冷ます」だけでなく、禁煙や飲酒量の見直しも重要

ということになります。

熱い飲食物は「少し冷ましてから」が簡単な対策

では、具体的にどうすればいいのでしょうか。

難しい方法を取り入れる必要はありません。

1.熱々の飲み物をすぐ飲まない

お茶やコーヒーを淹れた直後に飲むのではなく、少し時間を置きます。

「飲めるけれど熱い」状態ではなく、

「熱すぎず、無理なく飲める」

程度まで冷ますことを意識します。

2.一口目を少量にする

料理や飲み物が熱そうなときは、いきなり大量に口へ入れないことです。

少量を口にして、熱さを確認するだけでも、熱刺激を避けやすくなります。

3.熱い料理を混ぜて冷ます

スープや味噌汁などは、かき混ぜたり、器に少し取り分けたりすると温度を下げやすくなります。

4.「熱いこと」をおいしさと考えすぎない

熱い料理を好む人ほど、

「熱いうちがおいしい」

と考えがちです。

しかし、健康面を考えれば、「熱々」から「ほどよく温かい」へ少し変えるだけでも意味があります。

食道がん予防では野菜や果物も大切

熱い飲食物だけに注目するのも避けたいところです。

国立がん研究センターでは、日本人を対象とした研究から、野菜や果物を摂取することで食道がんのリスクが低くなることが分かっているとしています。

したがって、食道がん予防を考える場合は、

  • 熱すぎる飲食物を避ける
  • 禁煙する
  • 飲酒を控える
  • 野菜や果物を摂る
  • バランスのよい食事をする
  • 適度に身体を動かす

といった複数の生活習慣を組み合わせて考えることが重要です。

食道がんは早期には症状が出にくい

もう一つ知っておきたいのが、食道がんの症状です。

国立がん研究センターによると、食道がんは初期には自覚症状がほとんどなく、進行すると、

  • 飲み込みにくい
  • 食べ物がつかえる
  • 胸に違和感がある
  • 体重が減る
  • 胸や背中が痛い
  • 咳が出る
  • 声がかすれる

などの症状が現れることがあります。

特に「食べ物が以前よりつかえるようになった」という変化が続く場合は、単なる年齢のせいと考えず、医療機関に相談することが大切です。

まとめ:熱いものは「少し冷まして食べる」を習慣に

熱い飲み物と食道がんの関係については、すでに国際的な研究が行われています。

IARCは、65℃を超える非常に熱い飲み物を「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と分類しています。

また、日本の国立がん研究センターも、熱すぎる飲み物や食べ物を避けることを、がん予防のための生活習慣の一つとして紹介しています。

ただし、これは「熱いお茶を飲んだら食道がんになる」という話ではありません。

重要なのは、

「非常に熱い飲食物を、繰り返し摂取する習慣を避ける」

という考え方です。

特に難しい対策は必要ありません。

今日からできることは、

熱々の飲み物や料理を、少し冷ましてから口にする。

これだけでも、食道への熱刺激を減らす生活習慣になります。

そして食道がん予防では、熱い飲食物だけを見るのではなく、喫煙、飲酒、食生活などを含めて総合的に考えることが大切です。

「熱いものが好き」という人ほど、これを機会に一度、自分の飲食温度を見直してみてはいかがでしょうか。