変形性膝関節症の予防と対策|なったら気をつけたい生活習慣・運動・体重管理

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「最近、膝が痛む」「階段の上り下りがつらい」「正座がしにくくなった」。
50代以降になると、このような膝の変化が気になる人が増えてきます。その代表的な病気の一つが変形性膝関節症です。
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨などに変化が起こり、痛みや動かしにくさなどが生じる病気です。日本整形外科学会によると、予防や日常生活上の対策として、大腿四頭筋を鍛えること、正座を避けること、肥満の場合は減量することなどが挙げられています。
では、膝をできるだけ長く健康に保つには、普段から何を意識すればよいのでしょうか。
この記事では、変形性膝関節症の予防と、すでに症状がある場合の生活上のポイントをまとめます。
変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症は、膝の関節にある軟骨などが変化し、痛みや可動域の制限などが生じる疾患です。
代表的な症状として、
- 歩き始めに膝が痛む
- 階段の上り下りで痛む
- 正座がしにくい
- 膝が曲げにくい
- 膝が腫れる
- O脚などの変形がみられる
といったものがあります。
診断では問診・診察に加えて、必要に応じてレントゲンなどの画像検査が行われます。
ただし、「膝が痛い=必ず変形性膝関節症」とは限りません。
半月板損傷など、別の原因によって膝が痛む場合もあります。痛みが続く場合は、自己判断だけで済ませず整形外科などで診てもらうことが大切です。
予防の基本は「膝を動かしながら、負担を減らす」
変形性膝関節症の予防を考えるとき、単純に「膝を使わないほうがいい」と考えるのは適切ではありません。
むしろ重要なのは、
膝を適度に動かし、周囲の筋肉を維持しながら、過剰な負担を避けること
です。
日本整形外科学会のガイドラインでは、変形性膝関節症に対する運動療法は、痛みや身体機能、日常生活機能の改善に有用として強く推奨されています。運動には筋力トレーニング、有酸素運動、水中運動などさまざまな方法があります。
注意すること
1.太ももの筋肉を維持する
特に意識したいのが、太ももの前側にある大腿四頭筋です。
膝を支える筋肉が弱くなると、歩行や立ち上がりなどの日常動作にも影響します。
そのため、年齢とともに運動量が減ってきた人ほど、無理のない範囲で筋力を維持することが重要です。
いきなり強い筋力トレーニングをする必要はありません。
例えば、
- 椅子からゆっくり立ち上がる
- 無理のない範囲で膝を伸ばす運動をする
- ウォーキングを行う
- 水中歩行を取り入れる
など、自分の体力に合わせて継続できる方法を選ぶことが大切です。
2.ウォーキングは「痛みが出ない範囲」で
健康維持のためにウォーキングをしている人も多いでしょう。
しかし、膝に痛みがある場合は「歩けば歩くほど健康になる」と考えないほうが安全です。
歩いた後に痛みが強くなる場合は、距離や時間を減らしたり、別の運動に変更したりすることを検討します。
水中運動など、膝への負担を抑えながら身体を動かせる方法もあります。運動療法には筋力強化だけでなく、有酸素運動や水中運動など複数の選択肢があります。
3.体重管理を意識する
膝の健康を考えるうえで、体重管理も重要なポイントです。
肥満は変形性膝関節症の危険因子の一つとされ、体重が増えることで膝への負担が大きくなると考えられています。
すでに変形性膝関節症がある人についても、日本整形外科学会のガイドラインでは、体重減少は有用であるものの、効果の推定には限界があるとして「弱い推奨」とされています。
一方、運動と体重減少を組み合わせた場合、運動だけよりも痛みや機能の改善が良好だった研究もあります。
ここで大切なのは、急激なダイエットを目指さないことです。
食事を極端に減らすのではなく、
「食べ過ぎを減らす+無理なく身体を動かす」
という方法で、長期的に適正体重を目指すほうが現実的です。
4.正座など、膝を深く曲げる姿勢に注意する
日本整形外科学会は、変形性膝関節症の日常生活上の注意点として「正座を避けること」を挙げています。洋式トイレの使用も推奨されています。
もちろん、正座を一度しただけで変形性膝関節症になるという意味ではありません。
重要なのは、膝に負担の大きい姿勢を長時間繰り返さないことです。
床に座る生活が多い人は、椅子や洋式の生活スタイルに変えるだけでも、膝への負担を減らせる場合があります。
5.「痛いから完全に動かさない」は避ける
膝が痛くなると、
「できるだけ動かさないようにしよう」
と考えてしまいがちです。
しかし、活動量が大きく低下すると、筋力や身体機能が落ち、さらに動くことがつらくなるという悪循環につながる可能性があります。
そのため、基本的には痛みの程度や身体の状態に合わせて、できる範囲で運動を続けることが重要です。
ただし、強い痛みや腫れがある場合、急に症状が悪化した場合などは、自己流で運動を続けるのではなく医療機関に相談しましょう。
膝が痛くなったら「生活全体」を見直す
変形性膝関節症になった場合、膝だけを何とかしようとするのではなく、生活全体を見直すことが重要です。
例えば、
運動
→ 膝の状態に合わせて継続する
体重
→ 太り過ぎている場合は無理なく減量する
姿勢
→ 正座など膝を深く曲げる姿勢を減らす
住環境
→ 椅子や洋式トイレなどを活用する
活動量
→ 痛みを悪化させない範囲で身体を動かす
というように、一つひとつ改善していきます。
変形性膝関節症の保存療法では、患者教育、運動療法、体重減少などを組み合わせて考えることが重要です。
こんなときは病院で相談する
膝の痛みを「年齢のせい」と決めつけるのはおすすめできません。
特に、
- 痛みが長期間続いている
- 歩くことが難しくなってきた
- 膝が腫れている
- 膝が伸びにくい・曲がりにくい
- 階段の上り下りが明らかにつらくなった
- 膝の変形が気になる
- 日常生活に支障が出ている
といった場合は、整形外科で相談しましょう。
変形性膝関節症は、症状や身体機能などによって対応が異なります。日本整形外科学会では、運動療法や薬物療法、装具などの保存療法が行われ、それでも改善しない場合には手術療法が検討されるとしています。
まとめ|膝を守るために、今日からできること
変形性膝関節症は、年齢とともに気になりやすい膝の疾患です。
だからといって、
「年だから仕方ない」
と諦める必要はありません。
日常生活では、
- 太ももの筋肉を維持する
- 無理のない範囲で運動する
- 体重を適正に管理する
- 正座など膝を深く曲げる姿勢を減らす
- 膝に痛みがあるときは運動量を調整する
- 症状が続く場合は整形外科に相談する
といった対策が考えられます。
特に大切なのは、「膝を使わない」のではなく、「膝をいたわりながら身体を動かす」ことです。
50代、60代以降も歩く力を維持することは、日常生活の自立や活動範囲にも関わります。
膝の健康を守るためにも、痛みが強くなる前から、できることを少しずつ生活に取り入れていきましょう。
※この記事は一般的な健康情報をまとめたもので、診断や治療を行うものではありません。膝の痛みが続く場合や症状が強い場合は、医療機関に相談してください。
参考資料
- 日本整形外科学会「変形性膝関節症」
- 日本整形外科学会「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」
- Minds「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」
- 日本リハビリテーション医学会「変形性膝関節症における運動療法」


