運転すると乗り物酔いしなくなるのはなぜ?科学的な視点で解説

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子供の時から乗り物酔いがありますが、大人になって自分で車を運転すると、乗り物酔いなど全く考えることがありません。自分で運転するのと、移動させられるのとの違いがあるのですか?

運転すると乗り物酔いがしなくなる、その理由は科学的に解き明かされています。

乗り物酔いの仕組み

乗り物酔いの原因

乗り物酔いは、簡単に言うと「身体感覚と視覚情報のミスマッチ」が原因で起こります。

  • 身体感覚: 内耳にある三半規管が、身体の動き(回転や加速など)を感知します。
  • 視覚情報: 目から得られる情報(景色が流れていくなど)です。

車が揺れるなどして身体が動いているのに、静止している景色を見ていたり、逆に静止しているのに景色が動いて見えると、脳が混乱し、乗り物酔いを引き起こします。

運転する人とそうでない人の違い

  • 視覚情報の予測可能性: 運転者は、自分がどのように車を操作しているかを知っているため、視覚情報の変化をある程度予測できます。つまり、身体感覚と視覚情報の一致度が高く、脳の混乱が少ないのです。
  • 注意の集中: 運転中は、道路状況や周囲の車に注意を集中するため、乗り物酔いの原因となる身体の不快感に意識が向きにくいという側面もあります。
  • 心理的な要因: 自分が運転しているという意識は、ある種の安心感やコントロール感を与え、乗り物酔いを抑制する効果があると考えられています。

まとめると

  • 運転者は、視覚情報をある程度予測できるため、身体感覚とのミスマッチが少ない。
  • 運転中は、他のことに注意が集中するため、乗り物酔いを意識しにくい。
  • 心理的な要因も、乗り物酔いの抑制に影響を与える。

その他

  • 運転席の位置: 運転席は、車の動きの中心に近い位置にあるため、他の座席よりも揺れを感じにくく、乗り物酔いをしにくいという説もあります。
  • 個人の体質: 乗り物酔いやすさは、人によって大きく異なります。

乗り物酔い対策

もし、同乗者として乗り物酔いに悩んでいる場合は、以下の対策が効果的です。

酔い止め薬を服用する: 医師に相談の上、適切な酔い止め薬を使用しましょう。

前方を眺め、遠くの景色に視線を固定する: 視覚情報を一定にすることで、脳の混乱を減らします。

できるだけ窓際の席に座る: 新鮮な空気を吸い、視界を広く確保することで、乗り物酔いを軽減できます。

読書やスマホの使用を控える: 視覚情報が細かく変化すると、乗り物酔いを悪化させる可能性があります。

酔い止め薬のはたらき

乗り物の酔い止めの薬は、どのような仕組みで乗り物酔いを防ぐのですか?

乗り物酔い止め薬は、主に以下の2つのメカニズムで乗り物酔いを防ぎます。

1. 自律神経の興奮を抑える

  • 副交感神経遮断薬: この成分は、乗り物酔いで過剰に活動してしまう副交感神経の働きを抑えます。副交感神経は、消化器官の働きを活発にする一方、めまいや吐き気といった症状を引き起こすこともあります。この成分が副交感神経の働きを抑制することで、これらの症状を緩和します。

2. 嘔吐中枢への刺激を遮断する

  • 抗ヒスタミン薬: この成分は、脳の嘔吐中枢への刺激伝達を遮断します。乗り物酔いで生じるめまいなどの刺激が、嘔吐中枢に伝わるのを防ぐことで、吐き気や嘔吐を抑えます。

酔い止め薬の効果的な飲み方

  • 乗る30分~1時間前: 酔い止め薬は、乗り物に乗る前に服用することで、予防効果が期待できます。
  • 酔ってからでも効果あり: 酔ってしまった後でも、服用することで症状を緩和できます。

酔い止め薬を選ぶ際の注意点

  • 成分: さまざまな成分の酔い止め薬があります。自分の体質や症状に合わせて、医師や薬剤師に相談して選びましょう。
  • 副作用: 眠気や口の渇きなどの副作用が出る場合があります。運転前や作業中の服用は控えましょう。
  • 年齢: 小児用の酔い止め薬もありますので、お子様の場合は、年齢や体重に合わせて選びましょう。

まとめ

乗り物酔い止め薬は、自律神経の興奮を抑えたり、嘔吐中枢への刺激を遮断したりすることで、乗り物酔いを防ぎます。しかし、すべての症状に効果があるわけではありません。ご自身の体質や症状に合わせて、適切な酔い止め薬を選び、安全に利用しましょう。