予備校の人混みでパニックになった18歳。広場恐怖症は認知の歪みを直すこと!
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子供の時から、見られること、注目されることを想像する癖があって、受動的な性格であったためか、18歳ころに大勢の人の集団に入ると「広場恐怖」のようになりました。
これは、医学的にはどういうメカニズムですか?
ご質問の症状は、広場恐怖症の特徴と一致しています。
医学的には、以下のようなメカニズムが考えられます。
広場恐怖症のメカニズム
- パニック障害との関連:
広場恐怖症の多くの患者は、パニック障害を合併しています。パニック発作への恐怖が、広場恐怖症状の主要な原因となっています1。 - 神経伝達物質の異常:
セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質が不安や恐怖の調節に関与しています。特にセロトニン神経系の機能低下が、広場恐怖症の発症に関連すると報告されています1。 - 脳部位の機能異常:
扁桃体や前頭前野などの脳部位の機能異常が指摘されています。扁桃体は恐怖条件付けに関与し、前頭前野は不安の制御に関与すると考えられています1。 - 認知の歪み:
「逃げ出せない」「助けを求められない」といった認知が症状を悪化させます1。
対処法
- 段階的曝露療法:
不安で避けていた状況・場所に計画的に身を置き、できる範囲で不安な状況に少しずつチャレンジする療法です2。 - 認知行動療法:
不安や恐怖を引き起こす思考パターンを認識し、より適応的な思考に置き換える練習を行います。 - 薬物療法:
セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗不安薬や抗うつ薬が処方されることがあります。 - リラクセーション技法:
呼吸法や筋弛緩法などを学び、不安や恐怖に伴う身体反応をコントロールする方法を身につけます1。 - ストレスマネジメント:
ストレス対処法を身につけ、適度にストレスを発散することが大切です1。 - サポートシステムの活用:
家族や友人、セルフヘルプグループ、専門家など、助けを求められる資源を把握しておくことが重要です1。
専門的な治療を受けることで、症状の改善が期待できます。一人で抱え込まず、医療機関に相談することをお勧めします。
「逃げ出せない」認知の歪みを改善
「逃げ出せない」「助けを求められない」といった認知が、認知の歪みである理由を教えて下さい。
「逃げ出せない」「助けを求められない」といった認知が認知の歪みである理由は、以下の点にあります:
- 現実を過度に悲観的に解釈しています。実際には逃げ出すことや助けを求めることが可能な状況でも、それができないと決めつけてしまっています1。
- 全か無か思考の一例です。状況を極端に捉え、中間的な可能性を考慮していません1。
- 結論の飛躍が見られます。根拠なく悲観的な結論を導き出しています1。
- 感情的決めつけの要素があります。不安や恐怖の感情から、客観的な状況判断ができていません1。
- 過度の一般化が起きています。一度経験した不安な状況を、すべての類似した状況に当てはめて考えてしまっています1。
これらの認知の歪みは、広場恐怖症の症状を維持・悪化させる要因となります。実際には多くの場合、逃げ出すことや助けを求めることは可能であり、このような認知を修正することが治療の重要な要素となります。
広場恐怖症と閉所恐怖症
広場恐怖症と閉所恐怖症は、両方とも、「逃げ出せない」「助けを求められない」という認知になるような気がします。
広い場所と狭い場所は逆のような状況ですが、症状の本質は同じということでしょうか?
広場恐怖症と閉所恐怖症は、一見逆の状況に見えますが、症状の本質には共通点があります。両者の共通点:
しかし、重要な違いもあります:
- 広場恐怖症は複数の状況(2つ以上)で症状が現れますが、閉所恐怖症は特定の状況(狭い空間)に限定されます1。
- 広場恐怖症は開放的な場所でも閉鎖的な場所でも症状が現れる可能性がありますが、閉所恐怖症は主に狭い空間に限定されます23。
- 閉所恐怖症と広場恐怖症の併存率は約20%と報告されており、完全に同一ではありません2。
結論として、広場恐怖症と閉所恐怖症は、「逃げ出せない」「助けを求められない」という認知の面で本質的な共通点がありますが、症状が現れる状況や範囲に違いがあります。両者は別の障害として分類されていますが、不安や恐怖に対する脆弱性という根本的なメカニズムを共有している可能性があります。